スポーツの発展や普及には日本代表クラスの選手の活躍が不可欠です。それはJリーグやプロ野球を見れば明らかです。代表クラスが活躍すれば、そうなりたいと思う子供も増え、競技人口も増加します。競技人口が増えればまた良い選手が出てくる確率が高くなる、という正のスパイラルが出来上がります。
まず、代表クラスの選手の活躍する国内のリーグや大会の仕組みや歴史を簡単に見て行きましょう。
1980年代くらいまでは、学校を卒業した大物アスリートは一般の企業に就職していました。そしてその企業にある運動部に所属してそこでの仕事をしながら練習をし、大会などに出場していました。
その会社の社長がスポーツが好きだとか、その競技が好きだという理由で創られたスポーツチームも多かったのではないでしょうか。また、高度経済成長期には社員が一丸となって頑張って行きましょう!!という雰囲気があり、社員を鼓舞したり、社内の一体感を出すためにスポーツチームを保有する企業もありました。
その後、新聞やテレビが発展してくるとともに、企業の「広告塔」としてのスポーツが注目されるようになって来ました。企業がスポーツチームを持つことにより、その会社名がメディアに露出し、その企業の宣伝やイメージアップに貢献するという考え方です。そのための「広告宣伝費」として、スポーツチームの運営などにかかる費用を企業が捻出していました。
ところが、バブルが崩壊し、多くの企業がスポーツからの撤退を余儀なくされました。この背景には、もちろん企業経営が苦しくなり、広告宣伝の名目でチームを持つ余裕がなくなってきたということもあります。もう一つ、人々の生活様式が多様化し、週末にまで会社のチームの応援に行く社員が少なくなって来て、精神面でのスポーツの存在意義も薄れてきた事も企業がスポーツチームを手放す理由として挙げられます。
日本のスポーツを支えてきた「企業スポーツ」の仕組みがこうして崩壊していったのです。
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テーマ:スポーツビジネス&スポーツ文化 - ジャンル:スポーツ