壁を壊す 吉川廣和
DOWAホールディングス(株)の吉川氏がその社長時代に取り組んだ構造改革についての本です。2007年11月に出た本ですが、分かりやすく構造改革について書かれており、お薦めです。経営者のみならず、新社会人を含めた社会人の方々・学生にも読んで頂きたい一冊です。
彼はまず、オフィス内の「物理的な壁」を取っ払い、フリースペースで働くように社員に強要しました。確固とした信念を持って構造改革に取り組むという姿勢を社員に示すためです。その上で旧態依然として社内をしゃかりきに改革して行ったのです。読んでいて痛快ではありましたが、それを本当にやっている本人には我々には計り知れない苦悩があったのだろうと推察されます。(実際に社員の希望退職を断行した後、倒れている)
新社会人・学生へのメッセージとしては「与えられた仕事をまず一生懸命にやる」という事です。「これ自分がやりたい事ではない」などといって、目の前の仕事を一生懸命やらない人に、本当の仕事が出来るのか、というメッセージが込められていたように思います。
また、もう1点。彼は若いときに人事部にいながら、ある事業部の存続を経営陣に訴えています。これは明らかに自分の仕事を超えた仕事です。つまり、目の前の仕事を一生懸命こなし、その上で、やろうと思えば、やれる事はある、という事です。例えば、希望の部署ではないところに配属されても、まず、その部署での仕事を完璧にこなし、さらに自分のやりたい事にクビを突っ込めないか模索する事は出来るということです。そういう人は、社内で必ずかわいがられます。
今の日本は壁だらけです。この壁を私も壊せるように日々前進して行きたいと改めて思いました。
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